みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagramでこのような質問をいただきました。この記事では逆子に対する鍼灸のリスクをお伝えします。
今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。
逆子のお灸にリスクはある?
逆子に対するお灸にリスクはない
逆子に対する鍼灸のリスクはありません。僕が知る限りでは、逆子に対する鍼灸で母体や胎児に影響を及ぼすような副作用が報告されたものはありません。
逆子のお灸で起こりうるリスク
逆子に対するお灸の研究で起きたリスク
ですが、いくつかの研究で見られたリスクとも取れるような例はありました。それは前期破水です。逆子に対するお灸の効果を調べる研究で、前期破水になる事例があります。*参考文献(1)(2)
それがリスクと言えるほどの確率ではないので、リスクになるとは報告されていません。僕もリスクにはならないと考えています。
前期破水がお灸による逆子のリスクにならない理由
逆子に対するお灸の効果を見る多くの研究では、妊婦さんが自分でお灸をしています。妊婦さんの体調に合わせて指導をするわけでもなく、みんな同じようにお灸をしています。体調が悪い人がお灸を無理に続けてしまえば、その刺激のせいで前期破水を起こすこともあると思います。
無理にお灸をしなければリスクにはならない
体の機能を使うのがお灸
お灸は刺激をするものです。その刺激をコントロールすることが大切です。足にお灸をしたら小さい炎症が起きます。炎症を起こして“妊婦さん自身の機能を働かせる”ことで、体調を変化させます。体調が悪い人の体の機能を無理して働かせたら、体調が悪化するのは容易に想像できると思います。
無理にお灸をすると悪化しリスクになる
例えば、風邪をひいているのに運動をしたら悪化します。ゴルフをして腕を痛めているのに、またゴルフをすれば悪化します。そのようにすでに悪いのに刺激を加えると悪化することがあります。
体調が悪いのに刺激をすると悪化しそれもリスクになる
無理して働かせすぎないように刺激のコントロールが必要です。これが研究ではリスクとされていないのに、研究の中でお灸をして前期破水をしている理由だと思います。
自分で逆子のお灸をする時のリスク管理
逆子へのお灸はお灸は無理なく行う
自分でお灸をする時に大事なことは、妊婦さんの体調に合わせて無理なくお灸をすることです。お灸の効果にリスクがあるわけではありません。
逆子へのお灸もやり過ぎれば火傷のリスクも
例えば、火傷もリスクと言えると思います。熱いのに我慢したままお灸をやり続ければ火傷します。本来なら我慢してまでやらなくても効果は十分にあります。ですが、我慢した方が効くと思って我慢してお灸をしてしまう妊婦さんをたくさん見てきました。
逆子のお灸は切迫早産にはリスクになる
他にも切迫早産の人が強いお灸をすれば早産になってしまうこともあります。そのように妊婦さん自身の体調を考えずに無理してお灸をしてしまえば、火傷というようなリスクも出ています。ですが、無理して行わなければ火傷することはありません。
リスクなく逆子を治す方法
もしリスクなく逆子を治したいならお灸が1番
もし逆子を治したいならお灸はとても有効です。世界中の研究で逆子を治すのにお灸はいいとされています。ただし、無理には行わないことです。火傷をしたり、体調が悪化することもあります。切迫早産の人も入院するほどでなければできますが、その場合はセルフケアではやらずに鍼灸師に刺激の管理をしてもらう方がいいと思います。
リスクのないお灸のやり方
お灸のやり方についてはこの動画、お灸の効果についてはYoutubeでお話ししています。気になる方は見てみてください。
まとめ
簡単にまとめると、逆子に対するお灸にリスクはありません。そのように多くの研究で結論づけています。ですが、火傷をしたり、前期破水の可能性もあります。重要なことは、無理してやらないことです。お灸をやりたいなら、お灸のやり方やお灸の効果の動画を見てみてください。
ということです。
参考文献
1)van den Berg I, Bosch JL, Jacobs B, Bouman I, Duvekot JJ, Hunink MG. Effectiveness of acupuncture-type interventions versus expectant management to correct breech presentation: a systematic review. Complement Ther Med. 2008 Apr;16(2):92-100. doi: 10.1016/j.ctim.2008.01.001. Epub 2008 Mar 4. PMID: 18514911.
2)Brici P, Franconi G, Scatassa C, Fabbri E, Assirelli P. Turning Foetal Breech Presentation at 32-35 Weeks of Gestational Age by Acupuncture and Moxibustion. Evid Based Complement Alternat Med. 2019 Jun 9;2019:8950924. doi: 10.1155/2019/8950924. PMID: 31281404; PMCID: PMC6590647.