みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagram(さかごらぼ)でこんな質問をいただきました。
今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。
逆子の場合は骨盤ベルトをするべき?
逆子を治りやすくしたいなら、骨盤ベルトはするべきです。なぜなら、骨盤ベルトをするとお腹のスペースが増えやすくなり逆子が治りやすくなるからです。
この記事を読んでいる人の最大の疑問と不安は「骨盤ベルトをしても逆子は治るの?」だと思います。それにも答えて行きます。
逆子が治る条件
逆子が治る条件は2つ
- 胎動がある
- スペースがある
逆子になるのは胎児が回転しているからです。逆子が治る時も胎児が回転する必要があります。その回転に必要なのが胎動とスペースです。
ほとんどの人が逆子になる
胎児は常に回転しているので、ほとんどの人が逆子になります。診断をする時期がある程度決まっているのと、先生によって逆子の時点でいう人もいれば診断の時期まで言わない人もいます。なので、自分が逆子だと気づかない妊婦さんが大勢いますが、ほとんどの人は逆子になっています。
みんながなっているので、逆子になることは問題にはなりません。問題になるのは逆子が治らないことです。ほとんどは逆子になり自然に治っているのに、治らない妊婦さんがいます。全体の約5%ほどです。その治らない理由が胎動とスペースが減るからです。
胎動とスペースが減る理由
ではどうして胎動とスペースが減るのでしょうか?
それは母体が疲労をするからです。自律神経が乱れることで胎動が減り、腰や骨盤周りが疲労することで子宮の血流が悪くなったりお腹が張ることでスペースが減ってしまいます。
これが逆子が治りにくい原因です。
これについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
骨盤ベルトをすることで逆子が治りやすくなる理由
骨盤ベルトをすることで逆子が治りやすくなる理由は、この疲労を予防・改善できるからです。特に腰骨盤まわりの筋疲労です。
後期になると腰がこる
妊婦さんが逆子に強く悩む時期は後期に入ってからです。この記事を読んでいる人が後期なら腰痛を感じている人は多いはず。なぜなら、お腹が大きくなっているからです。お腹が大きくなれば重心を保つために腰を反ります。腰を反るから腰がこります。
腰がこってきたから腰痛になるわけではありません。腰痛が出る前に骨盤の筋肉がかばうからです(代償運動)。かばうことで骨盤の筋肉が疲労すると骨盤まわりの血流が悪くなり、その結果子宮の血流が悪くなりやすくなります。
子宮の血流が悪くなれば子宮の伸張性が減りスペースが生まれにくくなります。また、お腹が張りやすくなりスペースが減りやすくなります。そうなれば逆子は治りにくくなります。
骨盤ベルトは腰を楽にするために巻く
骨盤ベルトをする理由の多くは「腰に負担をかけないため」のはずです。そうする理由の多くはすでに腰痛を感じているからのはず。すでに腰に負担がかかっているはずなのでそれを軽減できます。
骨盤ベルトをすれば腰や骨盤の筋肉に負担をかけないため、スペースが増えやすくなり逆子は治りやすくなるということです。
これが僕の考えです。この記事を読んでいる人は「腰痛は楽になるけど、お腹を締め付けることで逆子は治りにくくならないの?」と不安に感じているはずです。次はその不安を解消していきます。
骨盤ベルトをすると逆子は治りにくくなる?
骨盤ベルトをしていても逆子は治ると言える根拠は、骨盤ベルトではそれほど強くしめつけられないからです。
お腹がしめつけられると逆子は治りにくくなる
切迫早産の人に逆子は多いです。その理由のひとつがお腹が張ることにあります。お腹が張るというのは子宮が収縮している(ちぢんでいる)からです。つまり、子宮が胎児をしめつけていることになります。しめつければ回転しにくくなります。なので、お腹がしめつけられると逆子は治りにくくなります。
しめつけられると逆子は治りにくくなりますが、ここで問題なのはそれほど骨盤ベルトで胎児が回転しにくくなるほどお腹をしめつけられるか?ということです。
骨盤ベルトは強くお腹をしめつけられない
お腹が張ると痛みを感じるはずです。筋肉の収縮というのはそれだけ強いんです。それが続けば切迫早産になり、早産になることもあるくらいです。それだけ強く骨盤ベルトをしめられないはずです。
また、そもそも骨盤ベルトを巻く位置はお腹ではないはずです。骨盤に巻くもので前の部分はおへその下や恥骨あたりにくるはずなので、お腹にかかる負担はとても少ないはず。
骨盤ベルトをしていても逆子は治る
こういったことから、骨盤ベルトをしても逆子は治るということです。
実際に妊婦さんは骨盤ベルトをしていても治っています。僕が鍼灸による逆子治療をしていて、骨盤ベルトをしている妊婦さんでも逆子は治っています。これはトコちゃんベルトでも腹巻きでも腹帯でも全部同じです。
回転を抑制するほどしめつけられないからです。
骨盤ベルトでは予防もできない
なので、予防もできません。「予防をできますか?」と質問を頂くことが多くあります。ですが、予防はできません。予防をしようと強く巻いても体調を崩すだけで回転する時は回転します。
基本的に後期で治った逆子がまた逆子に回転することは少ないです。もし逆子が治った時はリラックスして過ごすのが1番です。
これについて詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
【あとがき】逆子と骨盤ベルトの関係
今回の記事は、腰痛が辛くて骨盤ベルトをすると楽になるけど逆子が治るか心配という妊婦さんのために書きました。
逆子は科学が進んでいるので証明されていることはたくさんありますが、証明されていない部分も多くあります。この証明されていない部分が多いため、いろいろな意見があります。
僕の意見の基本は「妊婦さんが体調を悪くするのは良くない」ということです。
逆子の多くが自然に治ることは証明されています。胎児の回転に大きく影響が出る子宮奇形があっても自然に治ります。それくらい逆子は自然に治るものです。
そして、逆子が治ると証明されているものはお灸、鍼、マッサージくらいです。逆子体操や横向きに強いエビデンス(科学的根拠)はありません。そして、そのエビデンスがないものは妊婦さんの体調を崩してしまいます。逆子体操をして腰が痛くなったり気持ち悪くなる人は多いです。
エビデンスがないものをして体調を崩していいわけがないと僕は思います。もし、科学がなくても逆子が治るならいいと思います。ですが、科学と統計と事実から治っているわけでもなさそうです。
基本的には母体の体調がいいことがもっとも逆子が治りやすくなる1番のいい方法です。無理して体調が崩れないように、気持ちよく妊娠生活を送れると逆子にも体調にもいいと思います。
この記事を読んだ逆子に悩む妊婦さんの一助になれば幸いです。