みなさんどーもこんにちは！さかごらぼの玉井です。以前にInstagram(さかごらぼ)でこんな質問をいただきました。
今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech（逆子）」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。
逆子体操で治らない理由は〇〇
逆子体操では逆子は治りません。
なぜなら、研究でそう証明されているからです。
逆子を治すなら逆子体操？
昔から逆子を治すといえば逆子体操のイメージが強くあります。これは日本だけではなく、海外でも同じです。Youtubeでも逆子体操を英語で検索すると、似たようなものがたくさん出てきます。きっと昔から逆子体操は物理的に考えて下を向きやすいんじゃないかと考えられてきたんだと思います。確かに、頭の重みで沈み下を向きそうな感じがあります。
逆子体操を調べた研究
この逆子体操で本当に治るのかということを調べた研究があります。逆子体操をした妊婦さんとしていない妊婦さんを比べる研究です。逆子体操をした妊婦さんの逆子の方が治る確率が高ければ、逆子体操には効果があるということがわかります。
逆子体操をしても治らなかった
研究の結果、治る確率は変わりませんでした。つまり、逆子体操をしてもしていない場合と同じということになります。このような結果があることから、逆子体操には効果がないとされています。これは海外でも同じかどうかを知るためにGoogleで検索したことがあります。外国でも看護師や医師が記事を書いていて、逆子体操をする際は気をつけるべきという記事がありました。
このようなことから、逆子体操では逆子は治らないということです。
逆子体操で治らない現状
産科で逆子体操を指導される？
逆子の診断を受けた妊婦さんは、産科でこのような説明はなかったと思います。ほとんどの人は逆子体操を勧められていないはずです。また、「逆子体操はどうですか？」と聞くと「時間があるならやってみたら？」と言われることが多いです。
僕が鍼灸による逆子治療をしているのは千葉県です。東京、神奈川、茨城などの近隣の県や、千葉県中から逆子の妊婦さんが来院しています。なので、ひとつの産科だけではなく、いろいろな産科の先生の指導を逆子の妊婦さんを通して知ることができます。多くの場合、逆子体操を指導されません。それは先ほど話したように科学的根拠がないからです。
逆子体操に否定的でない理由
だけど、聞いた時には「やってみたら？」と多くの場合は言われます。その理由は「逆子体操で逆子は治らない」という研究結果があるけど、効果がないと証明されているわけでもないし、有害だと証明されているわけでもないからです。なので否定する理由もありません。だから「やりたい」と言われたら否定はしません。
先生が指導しない理由は逆子体操では治らないという研究があるから。だけど、否定する研究もないため「逆子体操はしない方がいい」という指導も少ないということです。
逆子体操に否定的な３つの理由
僕が聞いた中には「逆子体操はやめて」と指導する先生もいます。その理由は先生によって違います。僕が聞いた理由をいくつか挙げます。
- 科学的根拠がないから
- 辛い思いをする人がいるから
- 骨折をした人がいるから
逆子体操はお腹が張りやすい
逆子体操はお腹が張りやすかったり、腰痛や肩こりになりやすかったりします。その結果気持ち悪くなる人もいます。産科医にとってもっとも大切なことは逆子を治して経膣分娩をすることではなく、母子共に健康で出産を終えることです。なので、逆子が治らないとされている逆子体操を頑張って行い、不調になることをよしとしない先生もいます。
逆子体操で骨折することも
また、これはある一部の先生の指導ですが、骨折をした妊婦さんがいるそうです。妊婦さんづてに「骨折する人がいるからやめた方がいいと指導を受けた」と聞いただけなので、詳しくはわかりません。ですが、きっと肋軟骨を折るんだと思います。いわゆる、ヒビです。
指導しないのは研究結果から
こんなことからも逆子体操では治らないという産科の風潮を妊婦さんは肌で感じているはずです。逆子体操を指導されなかった妊婦さんの中には「教えてくれなかったのひどい！」と感じる妊婦さんもいますが、妊婦さんの体や科学的根拠から指導をしていません。
逆子体操を無理に行う必要はない
僕がこの記事で1番言いたいことは、逆子体操は治らないとされているので無理に行う必要はないということです。
逆子体操で治らないと悩む人
「逆子体操で逆子が治らない！どうしたらいいの！」と悩む人が大勢います。また、逆子体操が辛いと感じているけどそのまま続ける方が大勢います。ですが、辛いのを我慢して行っても逆子体操には効果がないとされています。無理して続けてしまい「辛いまま過ごした妊娠生活」になるより、リラックスして過ごした方が母体にも逆子にもいいと思います。
治らないだけでなく逆効果
また逆効果になることもあります。逆子が治るには回転する必要があります。そのためには胎動とスペースが必要です。母体が不調をきたすと、胎動やスペースが減ることもあります。基本的にはそれでも逆子は自然に治りますが、なるべく胎動とスペースは多い方が治りやすいです。
逆子胎動では治らないことや、無理して不調をきたせば治りにくくなることから無理して行う必要はないと思います。
逆子を治す方法
もし逆子を治したいなら、お灸が1番いいです。世界中の研究で逆子を治すならお灸がいいと結論づけています。逆子を治したくて何かをしたいなら、お灸がいいと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▷【専門家が厳選！】自宅で行う逆子のお灸におすすめの市販のお灸２選
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ここでは、科学をベースに話しました。「逆子体操を続けるのが辛い。」「こんなに頑張っているのにどうして治らないの？」と悩み不安を感じている妊婦さんが多いからです。
ですが、逆子体操をすることで安心する妊婦さんが大勢いるのも事実です。それは逆子のためにケアをできている、ケアをして逆子が治るのに近いているという実感からです。どうして治らないのかがわからないのも不安の原因ですが、何もできないのもとても不安を感じます。何かをできているという実感だけでも安心できます。
僕がこうして記事を書いているのは、逆子の妊婦さんの不安を解消したいと思うからです。逆子体操はやらない方がいい！と言っているわけではありません。
もちろん、今の科学ではやっても治らないという結果ですが、科学が全てではありません。逆子の妊婦さんの気持ちは十人十色です。
妊婦さんが思う理想の妊娠生活のために、その生活を送るために自分が納得のできる方法を選択してもらえたら嬉しいです。
この記事がその選択肢のひとつを選ぶための参考になれば嬉しいです。