【日本逆子治療協会】逆子体操が危険な理由は〇〇が起きるから

たまいたかあき

鍼灸による逆子治療を9年間 l 独自の研究で逆子治療を確立 l 鍼灸師/柔道整復師 l 逆子の正確な情報を伝えるために逆子の科学と統計を発信 l 逆子治療は千葉県で行っています。

みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagram(さかごらぼ)でこんな質問をいただきました。

 

逆子体操を行うと危険はありますか?

 

今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。

 

逆子体操が危険な理由は〇〇が起きるから

逆子体操は危険ではありません。ですが、条件次第で危険になることもあります。

また、体調が悪化することもあります。なぜなら、逆子体操をすると辛いと感じる人が多いからです。

逆子体操が危険になる理由を順を追って説明します。

逆子体操の種類

逆子体操(胸膝位)逆子体操(仰臥位)逆子体操(横向き)

逆子体操は2種類あります。

  1. 胸膝位/膝胸位(四つん這い)
  2. 仰臥位(仰向け)

これに加えて胎児の天井が上を向くように横向きになるものも加える場合もあります。全部で3種類ありますが、これらを無理して行えば母体の不調が出やすくます。

逆子体操で出る4つの不調

その不調というのは大きく4つ

  1. 肩が痛い
  2. 腰が痛い
  3. 気持ち悪い
  4. お腹が張る

この4つが起きやすくなります。

この4つの不調は僕が鍼灸による逆子治療をしてとった200人くらいの統計データから算出した数字になります。つまり、逆子体操は悪いものではなけど、人によっては体調が悪くなる場合もあるということです。どうして逆子体操で辛い思いをするのかというと、体勢が辛いからです。それぞれお伝えします。

逆子体操で不調になる理由

胸膝位/膝胸位(四つん這い)

逆子体操(胸膝位)

やってみるとわかりますが、この姿勢を作るだけで肩が痛いはずです。ただの四つん這いをするよりも肘をついて腰を高くすると肩にとても負担がかかります。そうなれば肩が痛くなります。
また、腰も痛くなりやすいです。骨盤を高くするのがこの姿勢の特徴なんですが、高くすると必然と腰を反ります。反ったまま体勢を維持するので、腰がこり痛みが出やすいです。
この四つん這いの姿勢は、お腹がたるみます。四つん這いになることでお腹が重力で引き伸ばされます。そうしてスペースを増やすという方法だと思いますが、「引き伸ばされる」という刺激があることで子宮は収縮しやすくなります。それでお腹が張りやすくなったり、気持ち悪くなったりする妊婦さんがいます。

仰臥位(仰向け)

逆子体操(仰臥位)

これは腰の痛みと気持ち悪さが出やすいです。腰を反ったまま維持するので腰に負担がかかりやすく、腰が痛くなりやすいです。また、普段ならない仰向けをすることで気持ち悪さを感じる人が多いです。しかもこの場合は仰向けになるだけでなく反ります。より気持ち悪さが出やすくなってしまいます。

横向き

逆子体操(横向き)

横向きはもっとも腰痛が出やすいです。胎児の天井が上を向くように横向きになるといいとされていて、それをしっかり行う妊婦さんがいます。その場合、ほとんど寝返りをしません。寝返りをしなければ必ず腰痛になります。
例えば、長時間かけて行う長距離移動をすれば、バスでも飛行機でも車でも身体が固まり腰に痛みを感じやすくなるはずです。それは長時間座っていたからではありません。長時間同じ姿勢でいたからです。夜寝るときはそうならないように寝返りがあるのに、寝返りができなければ腰痛になってしまいます。

こんなことから、逆子体操で不調になってしまいます。そして、不調になれば逆子は治りにくくなってしまいます。

逆子体操で逆子が治りにくい理由

逆子は回転して治ります。そのためにはスペースと胎動が必要です。不調でその2つが減ってしまいます。肩がこったり気持ち悪くなって自律神経が乱れてしまえば、胎動が減り逆子は治りにくくなります。腰がこり子宮の血流が悪くなったりお腹が張ってしまえば、スペースが減り逆子は治りにくくなります。そうなれば逆子は治りにくくなってしまいます。こんなことから逆子体操を無理に行えば不調になったり、逆に治りにくくなってしまうことがあるということです。

けど、逆子体操をしても基本的には危険はないということです。

 

逆子体操が危険になる条件

ですが、危険になることもあります。それは体調が悪いのに無理して行った場合です。これは逆子体操が悪なのではなく、体調管理ができていないとなってしまいます。

危険になるわかりやすい例

わかりやすい例を出すなら運動です。「運動は危険だ」という人はいないと思います。ですが、「インフルエンザの時に運動をするのは危険だ」という人は多くいるはず。逆子体操も同じです。

逆子体操も不調のまま続ければ危険

体調が悪い時に体に負担がかかるものを行えば、体調が悪化してしまうリスクがあります。これが逆子体操ではすごく多いです。なぜなら、多くの人が逆子体操を無理して行うからです。辛くても続けます。それはそれしか治す方法を知らないからです。また、ネットに治ったという記事をたくさんみるからです。ですが、逆子体操には科学的根拠はありません。

→ 逆子体操に逆子が治るエビデンスってあるの?

さまざまな危険が起こりうる

体調が悪いまま続ければ、どんどん悪化します。体調が悪くなるのはとても危険です。母体の体調が悪いと様々なことが起こりうるからです。
また、骨折をする妊婦さんもいるそうです。これは実際に見たことはありませんが、鍼灸を受けにきた妊婦さんが産院で「骨折をする人もいるからやらないほうがいい」と指導されたそうです。これはボキッと折れるのではなく、肋骨の軟骨にヒビが入るんだと思います。これもやったら折れるのではなく、辛いのに負担をかけ続けると折れてしまうということだと思います。

こんなことから、条件によっては逆子体操は危険になるということです。

 

最後に

この記事では、逆子体操が危険かどうかをテーマにお伝えしました。

僕は危険はないと思いますが、多くの人が不調になるためおすすめしていません。

そもそも、逆子はほとんどは自然に治ります。これは研究で証明されています。そしてその自然に治る人が逆子体操をする確率はすごく高いです。つまり、自然に治る人が逆子体操をして治っているということです。科学的には逆子体操をして治っているわけではありません。

治る人は無理に逆子体操を行い辛い思いをしても治ります。それくらい逆子は治りやすいものなんですが、逆子が治りにくい人は体調を悪化させより治りにくくさせてしまいます。

それでも続ける人が多いです。なぜなら、逆子であることが不安でたまらないからです。産科では逆子の説明を受けられずネットサーフィンの毎日。そんな時に「逆子体操で逆子が治った」という記事を見たらすがる思いでみんなやります。体調が悪くなっても続けます。どれだけ悪くなっても。治るかもしれないという心理作用がそうさせます。

こういった妊婦さんの逆子が治らず帝王切開になった時、産後にこう思う人が多いです。「こんなことなら、もっと楽に妊娠生活を過ごして楽しめばよかった」と。あの時は逆子に取り憑かれてたという人もいます。

鍼灸を受けにきた人に「逆子体操には科学的根拠はありません」とお伝えすると「そう言ってもらえてよかったー!これでやめられる!」という人も一定するいます。

僕は妊婦さんが幸せかどうかが1番大切だと思います。

逆子体操に効果がないから、危険だからやらないほうがいい!という記事ではありません。

もし不安があるならやらなくてもいいし、辛いならやらなくても大丈夫です!ということを伝えたいだけです。

もし、それでも不安から逆子体操をしたいならそれもいいと思います。

もっとも大事なことは科学ではなく、妊婦さんの幸せであり、思い出に残る妊娠生活になることだと思います。

逆子体操に悩む妊婦さんがこの記事を読んだときに、逆子体操についての不安や悩みが改善されるような一助になれば幸いです。

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