切迫早産だと逆子は治りにくい?

【日本逆子治療協会】切迫早産だと逆子は治りにくい?

たまいたかあき

鍼灸による逆子治療を9年間 l 独自の研究で逆子治療を確立 l 鍼灸師/柔道整復師 l 逆子の正確な情報を伝えるために逆子の科学と統計を発信 l 逆子治療は千葉県で行っています。

みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagram(さかごらぼ)でこんな質問をいただきました。

 

切迫早産で入院中です。逆子が治りません。何かできることはありますか?

 

今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。

 

切迫早産は逆子が治りにくい

切迫早産は逆子のままになりやすくなります。なぜなら、胎児が回りにくくなるからです。

泣く逆子の赤ちゃん

 

切迫早産で逆子が治りにくい理由

切迫早産とは?

切迫早産というのは、お腹の張りが強くなってしまうことで正産期前に産まれそうになることです。お腹の張りが強いというのは、子宮の収縮が強いことを示しています。子宮の収縮が強いとお腹のスペースが減ってしまい、胎児は回転しにくくなります。そうなれば、逆子のままになりやすくなってしまいます。

 

切迫早産による子宮の収縮

胎児は子宮の中で大きくなります。その子宮というのは平滑筋という伸縮性のある筋肉でできています。伸びることができるから、妊娠中はお腹が大きくなります。縮むことができるから、陣痛が起きるし、生理の時に経血を排出することができます。

 

収縮はスペースを減らす

本来は強く収縮はしません。ですが、妊婦さんの体調などによって強い収縮が続く場合があります。強い収縮が続くと切迫早産になりやすくなります。強く収縮するということは、胎児がいる部屋の壁が縮み、部屋が狭くなることになります。部屋が狭くなれば胎児は回転しにくくなります。

だから、切迫早産は逆子のままになりやすくなるということです。

 

逆子と切迫早産の研究

逆子に対する切迫早産は研究でも示されています。様々な研究がありますが、ワシントン大学を例に挙げます。

 

治りにくい要因のひとつが早産

この中ではいくつかの逆子の要因が示されていますが、そのひとつに早産があります。早産になりやすい段階の切迫早産も大きく影響を受けるはずです。また、僕が普段逆子治療をしていても、切迫早産の妊婦さんからの問い合わせはとても多いです。入院中の病院からDMを通して質問を受けることも少なくありません。研究や経験からも切迫早産は逆子に強く影響することがわかります。

切迫早産で入院中です。逆子が治りません。何かできることはありますか?

 

切迫早産の逆子を治すために

絶対安静が1番

もし切迫早産の逆子を治したいなら、安静にすることです。逆子が治るには胎動とスペースが必要です。それがなければ回転することができません。ですが、切迫早産が続けばスペースが増えないので逆子は治りにくいままになります。

お腹をさする逆子の妊婦さん

 

切迫早産でも自然に治る

逆子は基本的にはほぼ全てが自然に治ります。多少お腹が張っていても自然に治るものです。焦る気持ちも分かりますが、まずは切迫早産が改善するのを安静にして待ち、落ち着いてからセルフケアをするのがいいです。なので逆子を治したいなら、切迫早産の間は絶対に安静にしてください。

 

安静がいい理由

下半身への刺激は子宮の収縮を促し、切迫早産が落ち着かなくなります。だから、切迫早産があまりにもひどい人は寝たきりを指導されたり、病院に入院して寝たきりになります。

 

逆子を治すためにできること

唯一、切迫早産中に逆子を治すためにできることは水分補給です。水分をしっかり取ることで羊水が増えることが研究で証明されています。

 

水分補給で逆子は治る

羊水が増えればスペースが増えるので逆子は治りやすくなります。水分を普通に取る分には切迫早産には影響はないはずです。ほとんどの妊婦さんは推奨量を飲めていません。ただし、無理に飲むのはよくないので、一般的に推奨される量をちゃんと取れるようにしてみてください。

水分を飲む逆子の妊婦さん

 

 

【逆子と切迫早産】まとめ

簡単にまとめると、切迫早産は逆子に影響がある。なぜなら、スペースが減ってしまうから。具体例として、切迫早産の人からの問い合わせが多く、研究でも発表されているから。もし逆子を治したいなら、まずは切迫早産を落ち着かせることが大切で、何かするなら水分補給がいい。

ということです。

 

参考文献

(1)Rayl J, Gibson PJ, Hickok DE. A population-based case-control study of risk factors for breech presentation. Am J Obstet Gynecol. 1996 Jan;174(1 Pt 1):28-32. doi: 10.1016/s0002-9378(96)70368-x. PMID: 8572022.

(2)中田かおり. "妊婦の体水分バランスと予後に関する文献検討." 日本助産学会誌 24.2 (2010): 196-204.

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