みなさんこんにちは!日本逆子治療協会の玉井です。以前にこのような質問を頂きました。こんな疑問にお答えします。
安産になる2つのツボ
安産になると証明されている有名なツボは三陰交と合谷です。子宮が収縮しやすくなることで時間が短縮し、ホルモンバランスが整うことで痛みが軽減するようになります。
わかりやすく以下の2つを安産の定義としてお話しします。
- 陣痛時間が短くなる
- 陣痛が少なくなる
陣痛時間が短くなる効果
時間が短くなり安産になる理由は、三陰交と合谷を刺激すると子宮が収縮しやすくなるからです。難産になるひとつの理由は子宮が収縮しにくいことにあります。子宮が収縮するから胎児が押し出されて産まれるので、収縮が足りないとなかなか出産が進まなくなってしまいます。
子宮を刺激することで収縮をうまくコントロールできるようになり、出産が進みやすくなるため安産になりやすくなるということです。
研究では陣痛の時間が1~2時間減ったというものもあります。
陣痛が少なくなる効果
陣痛が少なくなる理由は、過度な収縮を抑えやすくなるからです。
ホルモンバランスも整える効果があります。子宮が収縮するホルモン(オキシトシンや女性ホルモンなど)のバランスが整うことで、過度に強すぎる収縮を抑えることで過度に痛みを感じるのが減りやすくなります。
出産は子宮が収縮するから進むものなので必ず収縮はします。収縮をすれば痛みを感じるものなので、ツボを押したら痛みがなくなるわけではありません。ですが、痛みが減れば産後の女性の体力に影響し、マタニティブルーや産後うつ、産後の骨盤痛や腰痛などに大きな影響を与えます。
- マタニティブルー
- 産後うつ
- 産後の骨盤痛
- 腰痛
次は三陰交と合谷の色々な研究をご紹介します。
安産のツボの研究
陣痛時間が短縮した
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26732307/
Jiang QY, Wang MY, Li L, Mo HX, Song JL, Tang QL, Feng XT. Electroacupuncture relieves labour pain and influences the spinal dynorphin/κ-opioid receptor system in rats. Acupunct Med. 2016 Jun;34(3):223-8. doi: 10.1136/acupmed-2015-010951. Epub 2016 Jan 5. PMID: 26732307.
陣痛時間短縮/陣痛軽減
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4270652/
Yesilcicek Calik K, Komurcu N. Effects of SP6 Acupuncture Point Stimulation on Labor Pain and Duration of Labor. Iran Red Crescent Med J. 2014 Oct 5;16(10):e16461. doi: 10.5812/ircmj.16461. PMID: 25558386; PMCID: PMC4270652.
日本の研究
https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564286229486208
南絵里, 小川久貴子, and 宮内清子. "分娩期における指圧・お灸の効果についての文献検討." 東京女子医科大学看護学会誌 10.1 (2015): 11-17.
他にも色々とありますが、今回は3つだけご紹介させていただきました。
三陰交と合谷は東洋医学では禁忌とされています。次に安全性ついてお伝えします。
安産のツボは禁忌?
三陰交と合谷は東洋医学では禁忌とされてきましたが、現代の科学では安全性が証明されています。三陰交と合谷がなぜ禁忌とされているのか?というと、子宮が収縮するからです。子宮が収縮すると早産になりやすくなるイメージがあります。
ですが、そういった有害なことは起きないと研究で証明されています。収縮すると早産になりそうというイメージを持つ方が多いですが、人間には恒常性があるため簡単に早産にはなりません。
これについて詳しくは危険性の記事をご覧ください。
詳しくはこちら
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【〇〇な人は押してはいけない】妊婦に対する三陰交(ツボ)の危険性
三陰交に危険性はありません。三陰交を押しても早産にはなりません。これは研究で証明されていることです。妊婦さんの三陰交を刺激しても有害なことは起きなかったとあります。
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さいごに安産のツボの押し方をお伝えします。
安産のツボの押し方
安産のツボを押す方法は、ゆっくりじっくり気持ちいい強さで押すことです。ぐりぐり押すのとゆっくり押すのとでは効果が少し違います。ゆっくり押すことでより効きやすくなります。
また、気持ちいい強さで押すのもポイントです。強ければ強いほどいいわけではありません。揉み返すだけで効果はあまり出ません。例えば、薬だって強ければ強いほどいいわけじゃないはずです。薬もツボを押すのも体に反応を起こすためなので、どちらも良い加減がとても大切になります。
出産の時に助産師さんにものすごく強くツボを押されて痛かったという人がいますが、多くの場合は押しすぎです。助産師さんも三陰交の生理学を理解している人は少なく、強く押すほど比例して効果があると勘違いしている人が多いようです。
もし安産のツボを押すときは、ゆっくりじっくり気持ちのいい強さで押してみてください。