お灸

【日本逆子治療協会】逆子に対するお灸効果の科学的根拠(エビデンス)

みなさんこんにちは!日本逆子治療協会の玉井です。以前にこのような質問を頂きました。こんな疑問にお答えします。

お灸で逆子が治るのには科学的な根拠はありますか?

 

逆子に対するお灸効果の根拠

逆子に対するお灸効果の科学的根拠

逆子にお灸が効くことに科学的な根拠はあります。

その理由は研究で発表されているからです。

 

逆子にお灸が効く科学的な研究

逆子がお灸で治りやすくなった研究はたくさんありますが、僕が1番印象に残っている研究は遅い週数で治った研究です。その研究では36週〜38週の妊婦さんにお灸をして約53%の逆子が治っています。

他にもお灸をして逆子が治りやすくなったという研究は山ほどあります。週数など少しずつ条件が違った研究なんですが、多くの研究でお灸をすると逆子は治りやすくなっています。

今回は僕が1番印象に残っている特徴ある研究を紹介しました。

次はどうしてお灸で逆子が治るのか?をお伝えします。

 

お灸が逆子に効果がある理由

お灸が逆子に効果がある理由

それは熱いからです。

お灸をする目的は温かいや熱いなどの温熱刺激を与えることです。温熱刺激を感じられないお灸は基本的には効果はありません。(プラセボなどの効果や東洋医学での効果は例外としたときに)

熱いことで反射(反応)が母体の体に起きることで、逆子が治りやすくなります。

 

逆子のお灸をするべき場所

では、お灸をする場所はどこでもいいんでしょうか?どこでも反射が起きれば効果はあります。自律神経を刺激することで逆子は治りやすくなるからです。

→自律神経と逆子の関係

ですが、より効果的な場所があります。

それがツボです。

 

逆子のツボ

特に逆子の場合は至陰と三陰交が有名です。これらのツボが効く理由は(簡単に言えば)子宮に神経が繋がっているからです。なので、至陰や三陰交にお灸をすると子宮に反射を起こして血流が良くなったり収縮をしたりします。

つまり、子宮に反射が出る場所である至陰や三陰交にお灸をして、温かいや熱いなどの温熱刺激を与えることで反射が起きて効果が出て逆子が治りやすくなるということです。

 

まとめ

この2つは研究で発表されています。

  1. お灸をするとしていない人に比べて逆子が治りやすくなる
  2. お灸をすると子宮の血流が増加したり収縮する

こう言ったことから、逆子にお灸が効くことに科学的な根拠はあるということです。

ですが、正確には「妊婦さんにとって逆子にお灸が効くことに科学的な根拠はある」になります。科学的な視点からは科学的な根拠とまでは言えません。

 

逆子に対するお灸効果のリアルな科学

逆子に対するお灸効果のリアルな科学

残念ながらお灸で逆子が治ることは科学的な研究で発表がありますが、なぜお灸で逆子が治るのかは解明されていません。

その理由は逆子の原因が解明されていないからです。

逆子の原因は〇〇でそれをお灸で改善できるから逆子にはお灸が効くと証明する必要があります。ですが、逆子の原因は解明されていないため逆子にお灸が効く科学的な根拠は証明されていません。これが科学を語る上で難しいところです。

 

科学では逆子の効果に根拠はない

研究者にとってこれはエビデンス(科学的根拠)になりえません。なぜなら、科学にとってもっとも大事なことは「なぜその結果が出るのか?」だからです。つまりメカニズムを重要視されます。

例えば、お灸で逆子が治りやすくなったという研究は、僕が鍼灸院でお灸をして治りやすくなったというのとあまり変わりません。研究という名目でデータを取っているかどうかの違いです。もちろん、こう言ったことをひとつずつ研究することはとても大切にされています。ですが、あくまで結果でありメカニズムではありません。

僕は科学をとても大切にしています。ですが、研究者ではありません。僕は臨床に立ち妊婦さんに関わる立場なので、もっとも大切なのは妊婦さんがどう感じているかです。妊婦さんにとってももっとも大切なことは科学ではなく結果です。

つまり「私の逆子が治るのかどうか」ということです。

なので、僕は結果も大切にしてお伝えするようにしています。

科学だけに行きすぎると目の前に体調不良の人がいても「それは科学的根拠がないから気のせい」ということになります。僕は科学があるかどうかではなく「体調が悪いという事実」に目を向けたいと思っています。もちろん科学はとても大切なので一生懸命勉強した上で、臨床では常に科学に行きすぎず目の前で苦しむ人がどう感じているかを尊重しています。

今回は「逆子にお灸が効くことに科学的な根拠はあるのか」がテーマです。逆子にお灸が効くことは研究の結果で発表されているけど、その科学的なメカニズムは証明されていないということです。妊婦さんが気にするお灸の効果の根拠はきっと「お灸で逆子が治るという結果」という事実だと思うのでそれをお伝えしました。

 

まとめ

ここまで逆子に対するお灸の効果の根拠をお伝えしてきました。世界中の研究で逆子を治すならお灸がいいと結論づけています。

その理由は手軽に安くできるからです。

僕も自宅でお灸はおすすめです。今回紹介した逆子に対するお灸の効果を見る研究のほとんどは妊婦さん自身でお灸をしています。妊婦さん自身でお灸をしてもそれくらい効果があるということです。

ですが、もしやるなら火傷には気をつけてください。自宅でお灸をして火傷する妊婦さんを大勢見てきました。

お灸のやり方については別の記事で説明しています。

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