みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagramで下記のような質問をいただきました。
この質問にお答えします。
今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。
臨月からの鍼灸で逆子は治る?
臨月でも鍼灸で逆子が治る可能性はある
臨月から鍼灸をして逆子が治る可能性はあります。なぜなら、そもそも臨月までに治る可能性は研究で示されているからです。*参考文献(1)
臨月で治らないのはスペースが減っているから
逆子が治らない多くの原因は胎動とお腹のスペースが減っているからです。臨月になるとさらにスペースが減っています。その減る原因は母体の疲労にあります。だから、僕が逆子治療をしていて来院する妊婦さんのほとんどは疲労しています。その疲労原因のほとんどは仕事です。多くはギリギリの32週〜34週くらいまで仕事をしています。
鍼灸をすれば臨月でも逆子は治りやすくなる。
その仕事が終わると疲労が回復し胎動が増えるようになります。なので、臨月でも逆子は治る可能性はあります。そうはいっても臨月で治る妊婦さんは少ないです。なぜなら、すでにお腹のスペースが減っているからです。なので、より治りやすくするために鍼灸を行います。
臨月の逆子に鍼灸をした時の効果
臨月でも鍼灸をすれば胎動とスペースは増える
臨月の逆子の妊婦さんに鍼灸を行うと、胎動とスペースが増えます。胎動とスペースが増えることで胎児が回りやすくなり、逆子は治りやすくなります。ですが、それでも治らないこともあります。
臨月で器質的な要因があると鍼灸でも難しい
例えば、器質的な要因がある場合です。子宮の形、へその緒の長さ、胎盤の位置、子宮筋腫などです。そのような要因があると逆子が治りにくくなります。なので、臨月でスペースが減っていて、なおかつ器質的な要因があると鍼灸をしても治らない可能性の方が高いです。*参考文献(2)
実際に臨月で鍼灸をした妊婦さん
実際に臨月で鍼灸に来院した逆子の妊婦さんを具体例として挙げます。
臨月で鍼灸をして逆子が治る条件
僕が臨月から鍼灸をして逆子は治っています。ですが、臨月から鍼灸をして治るのには条件があります。臨月から鍼灸をして治った逆子の共通点です。
- 逆子の診断を受けたのが遅い。
- 逆子の診断を受けたからの来院が早い。
この2つの条件があれば逆子は治っています。
臨月で鍼灸をしても逆子が治りにくい理由
逆にこの2つの条件がない場合の逆子は治りにくいです。例えば、逆子の診断を受けたのが35週なら、35週になってもまだ逆子になれるだけの胎動とスペースがあります。なら、逆子が治るだけの胎動とスペースがあります。なので、逆子は治りやすいです。
逆子になったらすぐに鍼灸を受ける
逆子の診断を受けてからの来院が早いのも同じ理由です。逆子になった時は胎動とスペースがあります。時間が経ってしまうと逆子のままスペースが減るので、診断を受けてからは早ければ早いほど逆子は治りやすいです。逆子に対する鍼灸の効果はYouTubeで説明しているのでみてみてください。
臨月で鍼灸をした質問への答え
臨月ではなく12回の鍼灸が治りにくい
今回の質問の場合は、治りにくいと思います。なぜなら、鍼灸を12回しているからです。もし、器質的な要因が影響していないなら鍼灸をすれば逆子は治っているはずです。
実際に行った臨月の逆子に対する鍼灸の具体例
具体的な例として、僕が逆子治療をした統計をもう少しお話しします。僕が逆子治療をしていて、逆子を治すために逆子治療をした「最大回数は9回」逆子治療をして、逆子が治った1番遅い週数は「38週と4日」です。
こういった統計からも36週であることよりも、12回の鍼灸治療をしたのに治らないことから、逆子が治る可能性は低いかなと思います。
臨月でも鍼灸を受けるメリット
この質問者の妊婦さんは実感しているはずですが、鍼灸を受けるとほとんどの不調は改善します。逆子が治らない妊婦さんは体調が悪いことが多いのでより実感しやすいです。なので、より快適な妊娠生活のためにも、安産のためにも臨月からでも鍼灸を受けるのはいいと思います。
逆子の妊婦さんのストレスはわからないこと
今回の質問は「どうして12回も鍼灸をしても治らないの?」とわからないことに不安やストレスを感じているように思えます。逆子が治らない理由をチェックするためのリストを作成しているので、気になる人は読んでみてください。
まとめ
簡単にまとめると、臨月でも逆子が治る可能性はある。鍼灸をすることで臨月でももっと治りやすくなる。だけど、治りやすいのには条件がある。もし逆子を治したいなら逆子になったらすぐに鍼灸を受けることをオススメします。
ということです。
参考文献
1)Cammu H, Dony N, Martens G, Colman R. Common determinants of breech presentation at birth in singletons: a population-based study. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2014 Jun;177:106-9. doi: 10.1016/j.ejogrb.2014.04.008. Epub 2014 Apr 19. PMID: 24784711.
2)Rayl J, Gibson PJ, Hickok DE. A population-based case-control study of risk factors for breech presentation. Am J Obstet Gynecol. 1996 Jan;174(1 Pt 1):28-32. doi: 10.1016/s0002-9378(96)70368-x. PMID: 8572022.