みなさんどーもこんにちは!さかごらぼの玉井です。以前にInstagram(さかごらぼ)でこんな質問をいただきました。来院する中には「帝王切開でもいいのに、義母がうるさいから一応きました。逆子を治す必要性がわかりません。」という妊婦さんもいらっしゃいます。今回は逆子のままになるデメリットをお伝えします。
今回の記事の根拠には世界中で発表されている論文があります。逆子には科学的根拠がないとされていますが、発表されている研究や論文はたくさんあります。Google scalarで「breech(逆子)」と検索すると約10万件もヒットします。それにプラス僕が逆子治療をした約200例のデータを基にお伝えしていきます。
逆子のデメリット3つ
- 帝王切開になる
- 不妊につながる
- 発育性股関節形成不全[DDH]になりやすい
- アレルギーになりやすい
発育性股関節形成不全[DDH]=先天性股関節脱臼 昔は先天性股関節脱臼と言われていましたが、現在では発育性股関節形成不全と言います。
逆子のデメリット①帝王切開になること
逆子のままになるデメリットとして3つ挙げましたが『帝王切開になること』はよく知られています。逆子のまま自然分娩することはできますが、リスクがかなり高くなってしまいます。なので、逆子の場合、リスクを避けるために帝王切開をすることになります。
「帝王切開になることには、どんなデメリットがあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
妊婦さんが敬遠する理由
僕が実際に逆子の妊婦さんに聞いた帝王切開を敬遠する理由です。
- お腹を切るから(お腹を切るのが怖いから)
- 傷跡がお腹に残るから
- 手術後、傷跡が痛い
これらの3つのことを妊婦さんからよく聞きます。せっかくだから経膣分娩をしたいと思う妊婦さんも多いです。経膣分娩をしたい妊婦さんからしたら、帝王切開はデメリットになるかもしれません。
ただし、帝王切開が悪いものではありません。なぜなら、1番大事なことは母子ともに無事に出産が終わることだからです。帝王切開は敬遠されがちですが、無事に出産を終えるためのすばらしい医療です。
切らない方が、産後のためになります
しかし、切らなくて済むなら切らない方がいいです。なぜなら、帝王切開にも医学的なリスクがあるからです。切ったことで臓器が癒着してしまったり、次の妊娠時に前置胎盤になりやすかったり、次の妊娠時のリスクが高まります。
逆子のデメリット②不妊につながる
2つ目の逆子のままになるデメリットは『不妊につながること』です。帝王切開になると、開腹手術になります。メスでお腹を開いてから、子宮を切って胎児を取り出します。取り出した後は傷口を縫って終わります。この子宮を切る過程が不妊につながる可能性があります。
帝王切開が逆子になる可能性がある理由
次の子を妊娠するときに、帝王切開でできた子宮の傷跡に精子が詰まってしまいうまく受精ができないことがあるそうです。帝王切開でできた傷跡が原因で不妊になってしまうカップルも少なくないそうです。もし、次の子を考えるなら帝王切開はなるべく避けた方がいいかと僕は思います。
不妊のリスク
つまり、逆子のままになってしまうデメリットは『帝王切開になることで、次の妊娠時のリスクが増える可能性がある。』ということです。帝王切開自体は悪いものではありません。しかし、次の妊娠を考えるなら、帝王切開はなるべく避けた方がいいです。
逆子のデメリット③発育性股関節形成不全[DDH]になりやすくなること
3つ目の逆子のままになるデメリットは『発育性股関節形成不全[DDH]になりやすくなること』です。逆子のままになってしまうことで、DDH(=先天性股関節脱臼)になりやすくなってしまいます。DDHになる要因のひとつに逆子があり、逆子のうち15%がDDHになります。
僕の子供の股関節脱臼
僕の第1子は女の子でした。そのこも股関節脱臼をしていました。足が開かない、クリック音がすると明らかに脱臼している症状が出ていました。学校で習った教科書通りの症状です。完全に脱臼していなくても、ちゃんとハマってはいないはずです。気づいたのが生後10日くらいでした。その時期から気づく人は少ないようで、妻が産科で聞いても「様子をみましょう」「そんなに気にすることない」と言われるばかりでした。
自然に治ることが多い
できることがあるならしたいと思ったのですが、妻が不安そうにしているせいか「まあまあ」という感じでした。実際には放っておけばほとんどは自然に治ることが多いようです。なので、もし脱臼していてもそこまで気にする必要はないかなと思います。僕が聞いた股関節脱臼を改善する方法は下記の記事に記載しています。
▽詳しくはこちら
股関節脱臼について
逆子のデメリット④アレルギーになりやすい
以前に以下のようなメッセージをいただいたことがあります。
これは知らなかったので文献を調べてみたんですが、帝王切開の場合は子供がアレルギーになりやすいようです。
どうしてアレルギーに?
メカニズムはわかっていません。帝王切開の子供と経膣分娩の子供を比べてみたら、帝王切開で産まれた子供の方がアレルギーが出ていることが多かったという結果があります。文献の考察によると、経膣分娩の場合は膣内の細菌にさらされて抗体がつくのではないかと書かれていました。その可能性は大いに高いと思います。詳しくは記事にしているのでよんでみてください。
研究で行われるお灸のやり方
逆子のデメリットを減らす2つの方法
鍼灸の逆子治療/外回転術の2つ
「逆子を治すにはどうしたらいいの?」と気になりますよね。逆子で出産を迎えず、帝王切開を避けるには2つの方法があります。
- 鍼灸による逆子治療
- 外回転術
どちらも、早期治療が1番です。もし今逆子なのであれば、すぐに逆子治療を受けることをオススメします。
おすすめは鍼灸治療
外回転術はハイリスクと言われています。それに比べて鍼灸はリスクがないとされています。なので、試すなら鍼灸がいいと思います。また、鍼灸は自宅で簡単に行うことができます。それについて詳しくは下記の記事を読んでみてください。
研究で行われるお灸のやり方
セルフケアもGOOD
僕がすすめる逆子が治りやすくなるセルフケアもあります。それについてはYoutubeでお伝えしているのでみてみてください。セルフケアは自分の体に合わせて行うことが大切です。腰痛だけでなくいろいろな症状に合わせてセルフケアをお伝えしています。