逆子

切迫早産の逆子が治る可能性は〇〇%

切迫早産の逆子が治る可能性は〇〇%

みなさんこんにちは!日本逆子治療協会の玉井です。以前にこのような質問を頂きました。こんな疑問にお答えします。

 

今35w3d切迫で3ヶ月入院していました。20週台から逆子で位置変わらず石には頭位に戻る可能性はないと断言され逆子お灸も無駄と言われましたが諦めきれず今日も10回目施術してもらいました。早くから逆子のままだと頭位に戻る可能性は全くないのでしょうか。長文すみません。

 

切迫早産の逆子が戻る可能性

切迫早産でも頭位に戻る可能性はあります。いつから逆子なのか?で「逆子は頭位にならない」と断言することはできません逆子の原因は解明されていないので戻らないと断言できる根拠もありません。

僕の経験では20週から逆子でも頭位に戻っています。なので戻る可能性はあります。

ですが、「切迫早産だと戻りにくい」と言うことは言えます。

 

切迫早産の研究

ベルギーの研究で「逆子で生まれる原因は早産」と結論づけいています。

 

 

他にも切迫早産、早産は逆子の要因だと発表している研究はいくつもあります。これは逆子で生まれる理由は早産であることが多いと言うことです。

 

逆子が戻りにくい理由

他の記事でお伝えしていますが、逆子が治りにくい理由の多くは胎動とスペースが減っていることです。このうちのスペースに切迫早産が強く影響します。

胎児は常にくるくるしています。それはスペースがあり、胎動があるからです。つまり、スペースがあり胎動があるからくるくるし、自然に回転することができます。基本的には頭が下になるプログラムがあるので、最終的に頭位で落ち着きます。

 

切迫早産の逆子が戻りにくい理由

ですが、切迫早産はお腹が強くはり子宮が縮んでいます。こうなると胎児は締め付けられスペースが減ってしまいます。本来はくるくるするはずなのに締め付けられて回転できなくなってしまい、そのまま早産になると逆子のまま生まれることになります。

この締め付けられるタイミングが逆子であれば逆子で生まれるし、頭位であれば頭位で産まれます。基本的には常にくるくるしているので、逆子で締め付けられる確率は半々(50%)と言えるかなと思います。(統計的に正確ではありません。)

これが切迫早産だと逆子が頭位に戻りにくい理由です。

 

切迫早産だと戻らない?

また、切迫早産だから戻らないわけでもありません。切迫早産でも回転はするからです。

胎児は常に下を向うとしているので、胎児が小さいうちは回転しやすいです。いくら締め付けられるといっても、胎児が小さければスペースはあります。なので、切迫早産だと頭位に戻りにくいけど、切迫早産だから戻らないと言うわけではありません。

逆子は何週でも回転する可能性はあり、いつから逆子なのかはそこまで重要ではありません。なので、35週3日の今でも頭位になる可能性は十分にあります。

最後に切迫早産の妊婦さんができる逆子のケアをお伝えします。

 

切迫早産の逆子にするべきケア

切迫早産の場合に最も重要なことは、切迫早産を落ち着かせることです。切迫早産が続いている間は、締め付けられてしまうので回転しにくくなっています。なので、切迫早産を落ち着かせることが重要です。

切迫早産を落ち着かせる方法は自宅での安静が1番とされています。今では入院はしないほうがいいと言う研究が多くありますが、日本ではまだ入院を指導する先生が多いようです。(助産師さんに聞くと、理解はしつつも色々なしがらみがあるようです。)

自宅で安静にするといいとされている理由は、妊婦さんにストレスがかからないからです。心身的にストレスが強くかかると切迫早産になりやすくなります。なので、ストレスのかからない方が経過はいいようです。

(自宅と入院の基準はなく判断がとても難しいので、とりあえず入院という傾向が日本では強いのかなと思います。海外と比べて日本では保険が使えて安く済むから入院しやすいなどの事情もあると思います。これは専門ではないので勤めている助産師さんの話からの推測です)

 

大事なのはストレスを減らすことであり、それはマタニティケアで可能です。疲労が改善すれば圧倒的にお腹は張りにくくなります。

 

切迫早産の逆子はケアをすれば戻る?

だからケアを受ければいい!

 

というわけでもありません。

切迫早産の場合は体調が不安定なため、とても施術が難しいからです。施術どんなものも身体へ刺激をすることが目的です。刺激が強ければ強いほど、身体の反射反応が強く起きて効果は出やすくなります。

 

切迫早産のケアで重要なこと

ですが、切迫早産は体調が不安定なために刺激を強くできません。だからといって弱い刺激では、効果が出ません。これをうまくコントロールできる施術者はとても少ないです。多くの場合はほとんど刺激をしないで終わります。

大事なのは刺激のコントロールよりも、施術を重ねるたびにお腹の張りが減り胎動が増えることです。刺激が弱くたって、少しずつでも効果が出ていれば少しずつ回転しやすくなります。

もし、切迫早産が落ちついていて刺激を普通にできるくらい体調が回復しているなら、施術の回数を重ねるたびに胎動が増えてスペースが増えることによる胎児の動きの変化を感じられるはずです。

10回の施術を受けた中で、それを感じられているなら回転する可能性はあります。

 

逆子ケアは胎動とスペースを増やすため

もしまだ胎動とスペースが増えていないなら、切迫早産以外の不調(肩こりや腰痛、胃腸の不調、睡眠障害など一般の不調)や疲労を改善すると逆子が回転する確率は向上します。

その方法はお灸ではなく、手技療法(整体や指圧など)、鍼の方が長けています。そういったことを担当している施術者と相談するといいと思います。

 

さいごに

いつもはストーリーズで質問を募集し、それにお答えしています。ですが、今回は切迫早産の逆子という繊細なテーマだったのと、その説明のためには色々な角度からの説明が必要だったのでブログ記事にさせていただきました。

この切迫早産の逆子ケアはとても繊細なテーマになります。なぜなら、「逆子のままでも出産できるんだから、しなくてもいいケアはするべきではない。」とされているからです。

僕も同じように出産においては「母子ともに安全に出産が終わること」が最も大切だと思います。

ですが、妊婦さんは出産が安全に終わることと同じくらい、どのように出産を迎えられたか、どんな妊娠生活だったかが大切に思っています。

また、逆子で帝王切開になった妊婦さんは産後にわだかまりを感じます。「あの時こうしていれば」「あんなことしなきゃよかった」と何年経っても感じ続ける人もいます。

逆子での出産にわだかまりを感じている人が周りから「終わったことじゃん」という目で見られることが多くあります。ですが、わだかまりも後悔も終わったことだから感じるものです。

「終わったことじゃん」というのは結果が重要視されています。ですが、逆子に限らず多くの妊婦さんは無事に産まれたことよりも、どんな妊娠生活だったか、どんな出産だったかを気にします。

なので、出産について聞くと「つわりがすごかった」「陣痛が痛すぎた」など結果ではなく過程が印象に残ります。結果的に無事に産まれたことも大切ですが、過程もとても大切です。

理想の出産はありません。あるのは、その人それぞれが思う理想の出産です。全ての妊婦さんが自分の理想の出産を経験できるわけではありませんが、納得をして出産に臨んでもらえたらと願っています。

納得をして出産を迎えるためには逆子についてを知ることが最も重要であり、ケアをしたいと思っている人にはできるケアをお伝えすることが重要だと感じています。

逆子の情報でより多くの逆子の妊婦さんが、逆子に悩まない妊娠生活を送ることができ、納得をして出産を迎えて、産後も逆子に悩まずに済むことを願っています。

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