妊婦の逆子治療は昔より三陰交(さんいんこう)と至陰(しいん)の2つの経穴(ツボ)が、よく使われ効果があります。
今回はこの2つのツボについて、「場所はどこにあるのか?」「なんで効くのか?」をご紹介します。
目次
- 三陰交
- 至陰
- 注意事項
三陰交
三陰交(さんいんこう)というツボです。場所は足の内くるぶしから指4本分上にあります。
このツボは「婦人科」「水分代謝」によく使われるツボになります。
その繋がりを経絡(けいらく)と言います。経絡には陰が6路と陽が6路あります。
三陰交は、肝(厥陰)・腎(少陰)・脾(太陰)の3つの陰経の経絡が交わっているので「三陰交」と呼ばれています。左右の足にそれぞれあります。
東洋医学で「肝」は、筋肉や血をコントロールしています。中枢神経系・自律神経系・循環器系などの作用も併せ持ち、「肝」の機能が低下すると不眠やイライラなどの症状が現れます。また「腎」は生命エネルギーの貯蔵庫と考えられていて、水分代謝のコンロールをしているとされています。そして「脾」は主に消化・吸収などの消化器系の機能を司っていて、体に栄養を補給しているとされています。
この3つの陰経の経絡が交わっているのが三陰交。そのためこれらの不調はここに治療を施すと陰の不調の改善効果に働いてくれる、陰の万能のツボといわれているのです。冷えやむくみの改善、生理痛の緩和、骨盤内の血流を良くするなど、「婦人科」の陰の症状に役立つさまざまな効果が期待できます。
逆子のセルフケアをする場合はここに「せんねん灸」を据えます。
せんねん灸についてはコチラ
至陰
至陰(しいん)というツボです。場所は、足の小指の爪の外側の根っこ部分にあります。
逆子の治療は、昔から現在まで至陰へ灸がなされています。その臨床的な効果は海外でも知られています。
この灸法は「太平聖恵方」という古い書物に「張文仲救婦人横産,先手出諸般符薬不捷,灸婦人右脚小指尖頭,三壮炷如小麦大,下火立産.」(逆子には妊婦の右足の至陰へ小麦のような灸を3回すえると治る)という記載があります。難産に対する宋以前の鍼灸法をみると,
「崑崙[こんろん](甲乙・千金),肩井[けんせい](千金),足太陰[あしたいいん]・太衝[たいしょう]・足太陽[あしたいよう]・三陰交(千金翼)」(それぞれツボの名前です。)
など,肩井(頸と肩の真ん中)を除けばみな足のツボを使っています。足への灸法が逆子難産に有効であるという認識は古くからあったんですね。
注意事項
この「三陰交」と「至陰」はあくまで「逆子を治療するツボ」になります。逆子じゃない人がここお灸を据えたりマッサージをすると、刺激が強すぎて逆子になることがあります。
妊娠していなければ、冷えやむくみの改善、生理痛の緩和、骨盤内の血流を良くするなど女性が嬉しい効果がたくさんあります。ただし「逆子じゃない妊娠中」は気をつけてください。
まとめ
有名な「逆子のツボ」について記述しました。
逆子に対するツボは他にもたくさんありますので、また随時記述していきます。
逆子が治ることを祈っています。